執事の名のもとに
その顔は何かと照らし合わせるかのようにまっすぐと海琉を見つめていた。
恋の力…――
柄にもないことを考えて、すぐ頭の中でかき消す。
いや…絆か。
ああ、こっちの方がしっくりくる。
部屋も一緒で、同じ空間を共有したのが誰よりも多い勝なら、海琉のことも気付くかもしれない。
でも今の俺には、
「…さぁ、俺にはいつもと変わらない気がするけど。」
「…だよな。」
はははと笑ったと思ったらいきなり皿を置いた。