執事の名のもとに
「だからか心のどこかで試験で落ちたらって思ってたんだと思う。…きっと俺、執事を諦める理由が欲しかったんだ…。」
「…敦。」
そっと肩に触れると敦は力が抜けたように肩を落とした。
「俺って最悪。」
自分を嘲笑う敦になんと言えばいいのか…。
「俺はそうは思わないけど。」
その言葉に驚いたように敦は顔を上げた。
俺は、俺の思ったことを敦に言うのは悪くないと思う。
それが敦にとって悪くても。