執事の名のもとに
勝たちと別れて電車に乗ると誰かに肩を叩かれた。
「晴馬くん?」
振り返ると久しぶりに見る美優の姿があった。
「久しぶり…。」
俺が驚いていると笑って近寄ってきた。
「身体、大丈夫なの?」
不安そうな目で見てくる。
「ああ、もう何ともない…でも何か新鮮だな。」
美優の服を指差す。
「いつもメイド服しか見てなかったから。」
「そうねぇ、私服を見たことがあると言ったら敦くらいかしら。」
敦…。
敦という単語を聞くと少し頭が痛くなる。