アリスの作り方


私がこの世界に来て1ヶ月。
修行ばかりが続いていたが今日は違かった。

今日は不思議の国でのいわゆる“初めてのおつかい”の日である。

そんな子供ではないはずだが違う意味でただならぬ緊張感が漂っている。
なんたってレジスタンスがアジトの外の町へと買いだしに行くのだ。


「アリス様は何があっても守りますので安心してください。」


私以上に緊張しているティックが私を安心させるように優しく言ってくれた。

彼にはここに来てからはお世話になってばかりな気がする。
見た目以上に頼りになる彼のそんな台詞に少しだけ気が楽になった気がするが、足手まといになるのは明らかである。
いくら修行を積んでるとはいはまだ実践では足りないところはある。


“私もどんな街か見てみたい。”


ティックが町へ買出しにいくと聞いたときになんとなく出てしまった言葉だ。
確かにレジスタンスのトップ(?)であるだろう自分がどういった状況なのか知る名は大事だが……。


けどよくTVなんかでやっている熱血漢の主人公。

自分の正義を振りかざしすぎて……どうでもいいことに手を出して仲間を失っている。
少しだけだが共感できる反面お前が余計なことをしたからと苛立ちを覚えることも良くあった。


私はそんな救世主になりたくない。


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