アリスの作り方
ティックは“僕らの世界に興味持ってくれてむしろ嬉しいくらいです”と優しく言ってくれたが、気を使っているようにしか思えない。
人の好意を信じない自分の性格が屈折しているのか、それとも勘が良すぎるのか、どちらにせよマイナスにしか考えられないためか自分から言ったくせにいまいち乗り気ではない。
むしろあんな一言を言ってしまって後悔しているほどだ。
「浮かない顔でどうかなさいましたか?」
「体調でも優れないのでしょうか?」
やはり私の一喜一憂に敏感な彼らが心配をしてくれる。
「本当に私が言っても大丈夫なの?」
「どうしてですか?」
「絶対……足手まといになるよ」
自分でも確信している。
外の世界に行ってみたい反面、未熟と言うことを自覚してる為踏み切れない。
歯痒い気持ちが心の中を渦巻いていてもやもやする。
「そのほうが守りがいがありますから」
そんな不安な気持ちを消すためか、ティックが冗談っぽく笑いながら言った。
「……。」
そういわれると私は何も言えなくなるわけで……。
「わかりました」
苦笑いしながら呟いた。