アリスの作り方
まるで神話のような話だった。
救世主や時の番人だなんて言葉も普通に使う言葉ではない。
だが……
これが真実ということなのだろう。
クロノスさん、ジョーカーさん、そしてティックと様々な話を聞いていた為頭の中がうまく整理されていないが、それでも何となく分かった。
「アリス様。申し訳ございませんでした」
そう言いながら謝った。
やっぱり……彼は私の事をアリスとしか見ていないのだろう
「私は……アリス……だから機嫌を損ねると困るんでしょう」
こんな事自分で言っていても嫌な奴だとわかる……けど、それでもそれがとても歯痒くて仕方なくて、口から勝手に出てくる。
「そんなことないです……その……ル……ルイ様」
俯きながらポツポツと聞こえてくるティックの声……。
「どうして」
その名前を知っていた……確かここに来る前……数ヶ月前に一回言ったきりだ。