アリスの作り方
「何しに……ハァ……きたのですか?」
そう私を守るように私の目の前に来るティック息は荒いが、とても険しい表情で相手を威嚇するように言う。
そして手にはいつ出したであろうか警防を握っていた。
やっぱり “面倒な事“が起こったらしい。
「おーっと、大切に扱うんだな。可愛い“アリス”様は」
今度はスペードさんが口を開いた。
含み笑いをしながら嫌味のような言葉をティックへ投げかける。
「だから!…ハァ…何しに来たって言っているんです!!」
今までからは考えられない厳しい口調……ことの緊迫さを表現しているようだ。
「わかっていてるくせに……。」
ニヤニヤという効果音が似合うような、卑しい笑みを浮かべながら言う。
「まあ今度はちとばかり違うんだけど……。この前の“失敗”から反省してな」
同意を求めたのだろうかチラッとジョーカーさんのほうを見ながら言う。
その瞬間目の前の……ティックから殺気の様なものがあふれ出てきた。
「……。」
ティックが怒っている……。
私に対し謙遜した態度しか見せなかった為かそれがとても意外に感じてしまう。
そんなティックに気づいているのかいないのか、相変わらず馬鹿にしたような口調でスペードさんは続ける。
「アリス……お前を捕らえに来た。さいわい何も知らないみたいだしな。丁度いい」
そう冷たく言うと、その直後スペードさんは私に先ほどのようにナイフ投げてきた。
”カーン”
頭の中に金属音が響いた。