アリスの作り方
「私も……そしてティックも……自分が使命を果たすにふさわしい人物だとは思っていません」


自分を嘲笑しながらとても哀しそうに。

「だからこそ、貴女に対しそんな態度をとってしまうのですね。あなたに不快と思われないように……。」

だめな大人ですねと微笑みながら言うがその表情は儚い。

「そんな事……ないと思います」

少なくとも自分が正しいと思っている人よりはましだと思う。

確か前学校で習った無知の知といったっけ……あんま詳しくは覚えていない。


「やはりあなたは素敵なお方ですね」

「そんなこと……。」

「ありますよ。自分で気付いていないだけです。だから……貴方ももう少しでいいので自分を信じてみてくれないですか」


「ビルさん……。」
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