星屑
だからって頭の中はそれどころではなく、気の利いた言葉さえも思い付けない。



「なぁ、やっぱ俺ってそんなに信用ない?」


言葉に詰まったあたしを拒否の態度だと受け取ったのか、勇介は視線を外して問うてくる。


でも、信用があるかどうかで言えば、それは疑問だ。


だってこの人の噂は色々と耳にしているし、実際モテてることも知っているから。



「言っとくけど俺、奈々以外とヤりたいとは思わないから。」


「…そんな、こと…」


「つか、俺はあの日からずっと、奈々しか見てないし。」


口説き文句としては最高なのだろう、実際あたしも揺らいでしまいそう。


真剣な瞳はこちらに真っ直ぐ向けられていて、思わず息を呑む。


彼は煙草を足で揉み消し、最後の煙を吐き出した。



「だから再会はきっと、偶然なんかじゃないんだよ。」


壁に頭を預け、佇む勇介は、あたしの髪の毛を掬い上げる。


煙草と、甘さの混じる香りが風に流れ、思わずあたしはその指先を目で追った。



「信用出来ないなら、誓ったって良い。」


そして耳元に添えられた言葉。



「好きなのは、奈々だけ。」

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