星屑
聞きたい?


と、ニヤついた彼は、ぺろっと舌を出した。


この男は、たまに恐ろしくエロい顔になるから困るけど。



「俺はなぁ、モジモジしてるヤツが好きなの。
照れて人見知りしてるところなんか見たら、血が騒いじゃうんだよ。」


このドS野郎め。


呆れるようにシンちゃんを見たけど、でも彼は得意げだった。



「つまりは内気で可愛い男の子がタイプなわけね?」


「そゆこと。」


わざとらしくエロい顔で、シンちゃんはピストルのポーズをこちらに向けた。


こんな良い顔なら女が放っておかないだろうに、勿体ない話だ。


ちなみに、うちのママとはあたしが生まれるより前からの知り合いだったらしいけど、関係性は今も謎のまま。


と、いうか、聞いてもいつもはぐらかされる。


まぁ、変な関係ではないことは知っているので、何でも良いけど。



「シンちゃんは、どうして男しかダメなの?」


「俺な、昔から女の子にモテてて。
恥ずかしがってたら、逆に可愛い可愛いってチヤホヤされちゃって。」


「で?」


「で、女は怖いと知ったわけだ。」


ふうん、そうですか。


今のシンちゃんからは想像も出来ないけど、でも、モテてたことは見ればわかる。


彼は煙草を咥え、瞳を滑らせた。



「まぁ、お前ら親子は良いんだけどさ。」

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