君の声
「由衣泣かないで…目が腫れてしまうよ…」
立夏の肩に顔をつけて泣き止まない由衣
会場は二人に釘付けになっている
やっとのことで招待客から離れた律子も由衣を抱き上げている立夏に駆け寄る
「立夏様申し訳…」
「律子さん、帰ろう」
「でも…」
律子は立夏の両親を見ると冷たい視線を由衣に向けていた
(由衣様は何のためにマナーを学んだのか…)
「両親は気にしなくて良いよ」
立夏は振り返ることなく駐車場に歩き出す
「由衣帰ろう…」
「立夏さん!!」