君の声
「奥様、由衣様をお待ちしていたのでは?」
お抱えの運転手が背中から話しかけてきた
「えっ?そうね…待っていたんだけどね?立夏の仕事の邪魔になるのも嫌だから帰るのよ~、あ!買い物でもするわ」
「はい、かしこまりました」
(…由衣さんの記憶のことも話したかったのに…)
由衣とは病室を飛び出していったきり会っていない
だから余計に心配になった里香子
龍郎も言葉にはしないが立夏と由衣のことを案じていた