君の声
由衣は立夏を見ずに首を横に振った
「…だったら…なんでここに座ってくれないのかな?」
立夏がいつも座るイスを見た
由衣は疑われてはいけないと思い促されるままイスに座り直した
(自然に…自然に…)
立夏はパソコンを閉じて治りかけている足をベッドから出して由衣を向いた
「由衣…話があるんだ…」
立夏の「話」と言われ肩をビクリと震わせた
「僕が…退院したらパーティーがあるんだ…」
(っ…あの人が言うように…今言われるの?)
婚約者は真由だと
だから出て行けと
でもそれじゃぁダメだ