君の声

由衣の跡



そして立夏の退院する日になった


コンコンッ


 「由衣様、おはようございます」


律子が由衣の寝室をノックした

いつもなら起きている由衣も、まだ布団にくるまっていた


 「由衣様?…」

 「……すいません……具合が良くないんで…寝てても…」

 「えっ?えぇ…わかりました、お粥でもお持ちしますね?」



あの日から、立夏に「好きじゃない」と言ってから由衣は部屋に籠もっていた


学校には風邪といい、心配する里香子にはなにも大丈夫と言った






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