君の声
立夏は息を吸い込んでからノックをした
「由衣?」
返事がない
立夏はドアノブに力を入れてゆっくりとドアを開いた
「由衣?」
バスルームにでもいるのだろうかと一声かけてもやはり返事がない
シャワーが流れる音もしない
立夏はベッドランプがついていたのでベッドに近づく
「由衣?」
17才とは思えないほど無垢な寝顔の由衣が横になっていた
(眠ったのか?…さっきも5時間も寝たのに…)
頬にかかる髪を払ってやるとにこりと立夏に笑いかて来る
(起きてるのか?)
と思わせるほどに自然な笑み
立夏は額にキスを落とすと由衣に毛布をかけて、室内の暖房を調節して部屋を出て行った