君の声

立夏の隣



 「えっ…由衣まだ来てない?」

 「えぇ…お帰りなられてまだ一度も」


てっきりむくれながらダイニングにいるんだろうと由衣の寝室にはノックをしなかった


立夏はきびすを返して由衣の寝室をノックした


 「由衣、夕食だよ」


コンコンッ


 「由衣、…入るよ?」


部屋に入るとフッとベットを見た


由衣が毛布もかけずに丸まって寝息を立てていた


丁度いい温度調節がされていても4月にはまだちょっと寒い


 「風邪でもひいたら…由衣っ…由衣っ」


身体を揺すってもうんともすんともない反応に立夏は加虐心をかきたてられたら


 「由衣」


警告のつもりでもう一度揺する


やはり反応なしの由衣の唇を奪った


しかもはじめて深く


 (…っ?!くるしっ!)


ぱちっとまぶたが開けば立夏と目が合った


 「…起きた?食事の時間だよ?」


立夏はなんでもないように唇を離した





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