いちごみるくのフェロモン

沈黙の朝

「…んっ…カイ??」


カーテンの隙間からのぞく朝日がまぶしい。

隣にいるはずの人を探して手をのばすけど、空気をつかむだけ。


「あれっ…いない…。」


どうしたのかな??


朝が苦手なカイが早く起きるなんてめずらしい。


「…わたし昨日ここにどーやってきたんだろう。」


たしか、昨日は、リビングでカイに血を飲まれて…


とにかくひんやりしたフローリングに足をつけてリビングに向かう。


いつもと変わらないけど


どこか寂しく


時計の針が進む足音が


はっきりときこえる。



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