風鈴
房子が、幸子を抱いたまま紫の正面に立つ。
「だけど冗談のつもりじゃないから、覚えておいてね」
紫がちらりと幸子を上目で見ると、幸子は上機嫌でにこにこしている。
まさか自分の嫁入りの話をされているなんて、考えもしていないのだろう。
「だ…だけど、もし男の子だったとしたって、さっちゃんとは歳が離れ過ぎてしまうわ」
紫のもっともな意見に、房子は、
「大丈夫よ」
と言いながら、幸子を下ろした。
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