風鈴
(…若い女の子と話してる)
遠くてはっきりとはわからないが、数人の女の子が市哉を取り囲んでいるようだった。
(…楽しそうに笑っちゃって…)
顔の広い市哉のことだから、特別な人でないことくらいは、想像できる。
それでも紫は、おもしろくないと思って、踵を下ろした。
恋人同士でもあるまいし、嫉妬する筋合いはない。
(でも、一緒に買いに行けばよかった)
と、紫が俯いたとき―
足元がぐらついた。
メニュー