とある男女の攻防戦
今の世の中何で訴えられるかわからないから。そこらへんを警戒しているのか。
心配しているように見えて結局
自分が困らないように手を打っていたんだ。
せっかく心配してくれるいい人だと思ってたのに。自分が訴えられない為だったのかと分かればまた苛立つ。
「っ、分かりました。病院には行きますけど!レントゲンやら薬やら処置で金額すごいことになってもここまで文句言いにこないでくださいよ!」
お金を払ってくれるっていうならおおげさなくらいに調べて処置してもらおうじゃない!
私の反抗心。
「…言わないよ。まぁそのぐらいの元気があれば大丈夫でしょうけれど」
「っ……」
ケラケラと笑って、
今度こそ消えていった背中。一人たたずむ私。
あの男っ…!!最後の最後に腹立つ……!
「!?、……ったぁ……」
怒りに任せて階段を登ろうと一歩踏み出せば、
現実は負傷している足が悲鳴を上げて。
涙目に視界が潤む。…痛い。