とある男女の攻防戦
「ごめんね、こんな格好で。ネイルには支障は無いから」
降ろすと痛いから、と
椅子に足を上げた状態で仕事。
これは店長が教えてくれて
最初はちょっと恥ずかしくて断ってたんだけど。
やってみれば
案外楽になってこの状態。
「そんなこと心配してませんよ!病院には行ったんですか?」
うわぁ……とまじまじ足を見られてちょっと恥ずかしい。
「……行ってない」
「行った方がいいですよ絶対!」
「……面倒くさくて」
行こうとは何回か思ったんだけど、あのくじいてしまった元凶に指定された大学病院。
近いほうだといっても車を持っていない私はバスか電車で行かなきゃいけなくて。
そこから徒歩で…
と考えると痛い足を引きずって行くよりも
家に早く帰って安静にしているほうがいいって思ってしまう。
面倒くさがりの性格が。それに待ち時間も長いだろうし、行ったってくじいてるから処置もシップを貰うだけだろうし…
何より、病院に行くって言うこと自体があんまり好きではない。
なぜだかハッキリとした理由は無いけれど、病院はあんまり好きになれない。