続きは、このままで…
ガチャッ――
不自然さ皆無の状態で、とうとうひとつのドアが開かれた。
緊張と不安が入り乱れて、珍しくパニックだったのだけれど・・・
豪華な室内へと足を踏み入れた途端、思わずジッと凝視してしまう。
そこには同性だというのに、眼を奪われるほどの美女が構えていたから。
ズキン、ズキンと痛みを増す心が、それでも私の任務を覚醒させていく…。
「佐々木 蘭さん…、よね?
初めまして、私は拓海の婚約者なの――」
お嬢様らしく、ニッコリと優雅に微笑んでみせる。
相手を陥れるには、まず大打撃を与える爆弾を投下すべき――
いつしか身についていた、最低な処世術を引っ提げて・・・