続きは、このままで…
雅貴様が彼女に向ける視線は、物凄く優しくて。
突拍子な言葉に驚いていたけれど、佐々木さんには本気だと窺えた。
如何に私に向ける視線が、冷たいモノなのかも・・・
「ねぇ、蘭さん・・・
どうして雅貴との結婚を渋っているのかしら?」
すべてを包み隠すように笑って、彼女をジッと捉えて話し掛けた。
「っ…、それは・・・」
今にも泣きそうな彼女に、隣の主様は嬉々とした表情をしていて。
「拓海の事を好きだから?」
つい感情が混ざって、冷たい口調で尋ねてしまう。
そんなの彼女を見ていれば、すぐに解る答えなのに・・・
彼女に心酔する主様に、牽制をしたかったのかもしれない。
こんなの…、浅ましい嫉妬でしかナイよ――