続きは、このままで…


手短に電話を終えてから、私はエレベーターの前まで歩いて行った。



エレベーターの到着音のあとで扉がスーっと開くと、足早に乗り込んだ。




迎えに来てくれた、佐田さんと二人きりになる為に・・・





すぐに扉が閉まって外部と遮断されると、平身低頭で一礼する私。



「佐田さん、いつも申し訳ございません」


「いいえ…」


無表情というか、実に端的で隙の無い佐田さん。




彼をはじめとして、雅貴様の下で働く人間はシビアな人種ばかり。



まぁ…、ファシズムを支える一員である事は間違い無い。




そして私が雅貴様にお仕えしている事は、絶対的な秘密事項――





秘書の佐田さんを理由にして、役員室フロアへと入っていくしか無いのだ。






< 7 / 63 >

この作品をシェア

pagetop