重ね合わせる手
「きれー」
中もブルーで統一されていて、それはごく普通の水族館だったけど、雪兎と一緒だから嫌いなこの場所も楽しい、なんて思えてた。
「ゆき、これ」
「イルカだ!」
「ほら、お揃い」
「ありがと」
私はピンク、雪兎は水色のイルカのストラップ。
お互いに携帯につけて、お揃いなんて笑いあった。
少しずつ奥に進むと、暗くなっていて不安になっていった。
私はぎゅっと雪兎の手を握ってそれをごまかした。
「怖いの?」
ちょっとからかうような口調に、意地になって言った。
「へ、平気だもん」