恋時雨~恋、ときどき、涙~
そして、健ちゃんが高校卒業を迎える1ヶ月前、アメリカから一通のエアメールが届いた。


ついに、ドナーが現れたのだ。


でも、手術は今よりも成功率が低かったらしく、果江さんは一大決心をしたのだ。


手術の前に一時帰国して、健ちゃんに会うことを。


そのエアメールには果江さんが帰国する日と、飛行機の到着時間が記されていた。


それは、健ちゃんの高校卒業の日だった。


そして、卒業式を終えた足で健ちゃんは、空港に向かい、果江さんを待った。


でも、どんなに待っても、果江さんは現れなかった。


健ちゃんは、朝まで空港で待ち続けていたのだという。


「その時、果江は来たくても、来れなかったんだよ。容態が急変したから。幸い、命に別状はなかったけど」


結局、会えなかったけれど、ふたりはそれからもエアメールで連絡をとりつづけた。


でも、それから1ヶ月後、果江さんからの連絡がパタリと途絶えてしまったのだ。


一通の、エアメールの後に。




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