恋時雨~恋、ときどき、涙~
冬の夜空は空気が澄んでいて、洗礼されたように透明で、星がくっきり見える。


雨上がりの星空は、宝石や金貨をちりばめたように美しい。


「オリオン座」


順也が指差す先に、3つ星が並んでいる。


「あの星みたいに、また、3人で笑える日が来るかな」


順也が、自信喪失気味に肩をすくめる。


わたしは、窓枠を強く叩いた。


順也がハッとした顔で、わたしを見た。


〈大丈夫。来るよ、きっと〉


冬の星座が、こぼれんばかりに月のまわりに散らばっている。


冬の夜空に金貨をばらまいたような、そんな空を、わたしと順也はずっと眺めていた。







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