恋時雨~恋、ときどき、涙~
あれほど掃除も料理もやる気満々だったのに、わたしは一気に落胆した。


もう、何もしたくなかった。


わたしは床に力なく座り込み、窓から入り込む風に打たれていた。


手紙を読んだだけで分かった。


たぶん、きっと。


昨日、果江さんは、この部屋に泊まっていったのだ。


スペアキーはポストに、と書いてあるくらいだから、健ちゃんが仕事に行ったあとに帰ったのだろう。


亘さんと何かあった事も分かったけれど、何があったのかは分からない。


外は、すごい吹雪だ。


窓から、冷たい氷の粒のような雪混じりの風が、せわしなく入ってくる。


わたしは無心状態で、窓を閉めた。


手紙を、元の位置にそっと戻す。


疑心に満たされた目で、部屋をぐるりと見渡した。


昨日、この部屋で、2人は何をしていたのだろう。


ただ、話をしていただけかもしれない。


それだけの事なのかもしれないのに、胸がむかむかして苦しかった。


息をするのも面倒なほど、激しい嫉妬心にかられた。


部屋はどんどん暗くなり、ついには真っ暗になった。


わたしは明かりもつけずに、ただ、リビングで呆然としていた。


しばらくして、突然、リビングがぱっと明るくなった。


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