恋時雨~恋、ときどき、涙~
ハッとして顔を上げると、健ちゃんが驚いた顔をして立っていた。
「真央。電気も付けないで、何してるんけ」
健ちゃんは、仕事の作業着姿だった。
わたしは時刻を確認して、自分に呆れた。
なんてバカなんだろうと思った。
ここへ来た時はまだ明るかったのに。
でも、真っ暗になったことにさえ気付かずに、何をしていたのかさえ、覚えていない。
本当に、バカみたいだ。
健ちゃんの両手が、知らない人のものに見えた。
「鍵、開いてたから、びっくりした。無用心だんけ」
寂しかった。
健ちゃんは笑いながら、カラーボックスの上に車のキーを置いた。
鍵が開いていたから、まだ、果江さんが居ると思ったのだろうか。
健ちゃんが、わたしに微笑みかけてくる。
でも、わたしは何も返さずに、ただ、健ちゃんを見つめ続けた。
「真央?」
健ちゃんが、わたしの顔を扇いだ。
少しだけ、雪のつーんとした匂いがした。
「いつ、来たの?」
わたしは、にっこり微笑んだ。
でも、本当は、これっぽっちも笑いたくなんてなかった。
わたしは、嘘をついた。
「真央。電気も付けないで、何してるんけ」
健ちゃんは、仕事の作業着姿だった。
わたしは時刻を確認して、自分に呆れた。
なんてバカなんだろうと思った。
ここへ来た時はまだ明るかったのに。
でも、真っ暗になったことにさえ気付かずに、何をしていたのかさえ、覚えていない。
本当に、バカみたいだ。
健ちゃんの両手が、知らない人のものに見えた。
「鍵、開いてたから、びっくりした。無用心だんけ」
寂しかった。
健ちゃんは笑いながら、カラーボックスの上に車のキーを置いた。
鍵が開いていたから、まだ、果江さんが居ると思ったのだろうか。
健ちゃんが、わたしに微笑みかけてくる。
でも、わたしは何も返さずに、ただ、健ちゃんを見つめ続けた。
「真央?」
健ちゃんが、わたしの顔を扇いだ。
少しだけ、雪のつーんとした匂いがした。
「いつ、来たの?」
わたしは、にっこり微笑んだ。
でも、本当は、これっぽっちも笑いたくなんてなかった。
わたしは、嘘をついた。