恋時雨~恋、ときどき、涙~
お父さん譲りの幼顔。


お母さん譲りの鼻筋と目の形。


〈変わった? どこが?〉


わたしは、静奈を見つめながら首を傾げた。


眉毛も睫毛も、真っ直ぐ切り揃えたぱっつん前髪も。


何も変わりはないのに。


静奈が、わたしの顔を指差した。


「よく、笑うようになった。真央が楽しそうで、私はうれしい」


確かに、最近のわたしは楽しかった。


健ちゃんとの他愛もない内容のラインのやりとりが待ち遠しくて、毎日、わくわくしていた。


「明日、一緒に花火大会に行こうね」


静奈も楽しそうに微笑んで、手話をした。


わたしは、しっかりと頷いた。


〈順也も、来るんだよね? 明日、仕事かな?〉


わたしの手話を見たとたんに、静奈の笑顔が僅かに歪んだ。


〈静奈?〉


きれいな顔を2回あおぐと、静奈はハッとしてにっこり微笑んだ。




< 50 / 1,091 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop