恋時雨~恋、ときどき、涙~
そうだ。
幸は、おほしさまだ。
わたしは、しっかりと頷いた。
思い返せば、幸は、出逢ったその日から、おほしさまみたいな女の子だった。
暗くて、殺風景な夜道をとぼとぼさまよい歩くわたしを、真上からキラキラの光で照らしてくれるのだ。
ええー、そうかあー、と照れくさそうに身をよじりながらも、
「せやねん! せやったわ! うち、おほしさまやったわ!」
わははは、とおちょぼ口を全開にして笑った幸につられて、わたしも笑ってしまった。
〈ねえ、幸〉
「今度は何やの」
わたしはひとつ深呼吸をして、両手を動かした。
あのね、幸。
わたし、自信なんて、そんなものはないけれど。
〈わたし、まだ、頑張れるかな?〉
「へ?」
きょとん、とした目で幸がわたしを見つめて来る。
熱を含んだ潮風が、頬をかすめて行った。
〈耳が聴こえないし、声の出し方も分からないけれど。それでも、こんなわたしでも、気持ちを伝える事は出来る?〉
まだ、間に合うかな? 、とメッセージカードを見せると、
「さあ。どないやろな」
と、幸はイエスともノーともとれない、微妙なニュアンスの微笑みをこぼした。
「もう、遅いかも分からん。もう、手遅れかもしれん。だって、3年やで。正直、遅すぎにもほどがあるで」
せやけど、と幸の細くてきれいな人差し指がその文字をなぞった。
【よわむしのライオンより】
「この、どあほうに、伝えたい想いがあんねやろ?」
ある。
わたしは、しっかりと頷いた。
幸も頷く。
「せやったら、なりふりかまわんと、伝えなあかん。これは、忠告やないで」
警告でもないな、と次の瞬間、幸はひらめいたように左手のひらを右手のこぶしで、ぽんと弾いた。
幸は、おほしさまだ。
わたしは、しっかりと頷いた。
思い返せば、幸は、出逢ったその日から、おほしさまみたいな女の子だった。
暗くて、殺風景な夜道をとぼとぼさまよい歩くわたしを、真上からキラキラの光で照らしてくれるのだ。
ええー、そうかあー、と照れくさそうに身をよじりながらも、
「せやねん! せやったわ! うち、おほしさまやったわ!」
わははは、とおちょぼ口を全開にして笑った幸につられて、わたしも笑ってしまった。
〈ねえ、幸〉
「今度は何やの」
わたしはひとつ深呼吸をして、両手を動かした。
あのね、幸。
わたし、自信なんて、そんなものはないけれど。
〈わたし、まだ、頑張れるかな?〉
「へ?」
きょとん、とした目で幸がわたしを見つめて来る。
熱を含んだ潮風が、頬をかすめて行った。
〈耳が聴こえないし、声の出し方も分からないけれど。それでも、こんなわたしでも、気持ちを伝える事は出来る?〉
まだ、間に合うかな? 、とメッセージカードを見せると、
「さあ。どないやろな」
と、幸はイエスともノーともとれない、微妙なニュアンスの微笑みをこぼした。
「もう、遅いかも分からん。もう、手遅れかもしれん。だって、3年やで。正直、遅すぎにもほどがあるで」
せやけど、と幸の細くてきれいな人差し指がその文字をなぞった。
【よわむしのライオンより】
「この、どあほうに、伝えたい想いがあんねやろ?」
ある。
わたしは、しっかりと頷いた。
幸も頷く。
「せやったら、なりふりかまわんと、伝えなあかん。これは、忠告やないで」
警告でもないな、と次の瞬間、幸はひらめいたように左手のひらを右手のこぶしで、ぽんと弾いた。