イジワル王子とお姫様
でも、私がナツキくんに費やした時間は余りに長くて。見込みないのに側にいて、じっくり待つ余裕も私にはもうなかったんだ


そして迎えたその週末…


ナツキくんと、とうとう初デート!!


あぁどうしよう。心臓ドキドキバクバクだよ~…


ダメ。気持ちを落ち着かせる為にもやっぱりもう一回トイレに行って来よう


待ち合わせは駅の改札前だったんだけど、トイレにある方に行こうと思ってクルッと振り返った


「ひゃぁ!」


ちょうど彼が改札から出てくる所で、私は思わず変な声と共に、ぐちゃぐちゃかも知れない頭を押さえた


ナツキくんは私と目が合うと、ククッて笑ってる


「何やってんの?鬼でも見たみたいな顔して」


鬼。ま、ある意味ナツキくん、オニだけどね。ダメ出し多いし、私に当たりキツいし…
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