イジワル王子とお姫様
そう、私はただの友達


ただの…


「んな事ねーよ」


ナツキくん、座り込んだまま私の方を見る


「お前ちゃんと空気読めてんじゃん。オレ傷つけないよーに」


「ちっ、違うの。今のは違う。ほんっとに抜けてるの!


さっきの店員さんの話も実はよく聞こえなかったなぁ~なんて?…あはは、私ったら、またボーッとしてたみたい」


精一杯、笑ってみた


そしたら、私の姿を見てナツキくんは苦笑した後、遥か上の方を見上げる


「…もっ回乗らねー?」


「…え?」


ナツキくんの見ている方向には、さっきの観覧車があった


「えっ!?でももう乗ったよ?それにまた並ぶのは…」


「いいよ、今度はオレが並ぶから」


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