イジワル王子とお姫様
ナツキくんはそう言うと、立ち上がって先々歩き出す


「もういいよ~。もう、暗いし…帰り遅くなっちゃう」


「あ、ゴメン。時間ない?」


「ううん、そうじゃなくて。私に気遣ってるなら、いいよ」


「お前に気なんか遣うか。オレが乗りたいの」


ナツキくんはニッと笑うと、少し戻って来て私の横に並び、そのままゆっくり歩き出す


へっ!どういう心境の変化!?


観覧車に着くと、もう人は大分減っていて、意外とすぐに乗る事ができた


しかも今度は相乗りじゃなくて


…個室に二人っきり


日はすっかり暮れ、辺りは暗闇に包まれていた
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