イジワル王子とお姫様
すかさず杏はカバンの中から自分名刺を取り出した。


携帯番号やメアド、ニックネームが印字されてる手作り名刺。


杏はコンパでこれを配りまくっていた。


こちらもなかなか手慣れた返しだな~と思って二人のやり取りを見てると、


「そっちの彼女も教えてよ」


って言われた。


困って目が泳ぐ。


名刺なんかないし、杏が気に入ってそうだから辞退願いたい。


「あんまり関わりたくなさそーな顔してら」


って、怖い顔の彼がチラッと私を見る。
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