イジワル王子とお姫様
関わりたくないっていうかぁ……えっと。


「行こーぜ」


「しゃーないか。じゃ、キミ経由って事で」


爽やか君は、杏にウインクすると名刺をポケットに直し、慌てて、さっきまで倒れていた怖い彼の後を追って走って行く。


「ナツキ~、何でそんな機嫌悪いんだぁ?待てって」


爽やか君の言葉を聞き、耳がダンボになる。


今……何て言った?


他人のそら似?


ナツキ。


ナツキ?


あれが……


私がずっと探してた
ナツキくんなの!?


断崖絶壁から落とされたような……そんな朝だった。

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