イジワル王子とお姫様
宿から少し歩いた所に小さな温泉があって、海の見える露天風呂だった


旅館の女将さんが、私たちにフリーチケットをプレゼントしてくれて、無料で入る事ができた


宿泊費も割引してくれたし何か申し訳ないなぁ…


お風呂から上がり、浴衣に着替える


「きゃ~、杏。色っぽいぃ」


「桃香も~」


休憩室で、二人バカな事言い合ってると、先にあがってた男性陣が飲み物片手にやって来る


「…何やってんの?お前ら」


ナツキくん半分呆れ顔


うわっナツキくんだぁ!


浴衣姿がカッコ良すぎだよぉ~。洋服も和服も似合うんだね…


「これさ、ちょっと丈短くて。何かちんちくりんだろー」


そんな私の気持ちに気付く事なく、ナツキくんは足元を指して笑う


見れば、裾がちょっと短いみたい


「本当だぁ。後で旅館の人に交換してもらおっかぁ」


「そーする。さ、帰ろか」


杏と銃士くんは、いつの間にか先に歩き出していて、自然とナツキくんと二人きりに
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