イジワル王子とお姫様
杏の手を引っ張り、急いで部屋に戻った


「ちょっと…桃香、どしたん?」


「杏…どうしよう。ドキドキする」


「はぁ?」


いつもよりナツキくんと一緒にいる時間が長いせいか


制服でも、ジャージ姿でもない彼を見てるせいか


今日はずっとドキドキが止まらないんだ


「恋してますねぇ~。ね、桃香も今日ナツキくん誘ってみれば?」


さっ…誘う!?杏ってば、何言い出すの~?


「変な意味じゃないよ。せっかく旅行に来たんだし、夜二人で外の散歩とかしてみれば?」


「あ、そーだよね。さすが杏!」


「まぁ?ナツキくんもそのつもりかも知れないけど~」


杏がシシシと笑う


「じゃあ…寝る前に二人で散歩でもしてみよっかな」


「うん!そうしなよ。さっ、タオルと着替え持って温泉へGO~っ」


杏に勧められたものの…上手く切り出せるかなぁ


ナツキくんの顔見たら、言えなくなりそ…
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