イジワル王子とお姫様
タッタッタッ…


何の因果か、あれから毎朝走り続ける私たち


杏と銃士くんは、始めはペラペラ喋りながら走り


いつも途中で杏のペースが落ちて、銃士くんが合わせて速度を緩める


私とナツキくんは、特に会話を交わすでもなく…


ただただ、無言で走り続ける毎日だった


ハゼくんにナツキくんが『オレがもらっていー?』発言をした後も…特に彼女っぽい扱いを受ける事もなく


もちろんデートに誘われる事もなく…


この朝練の後、4人で仲良く登校するだけ


いつまで続くんだろ、この関係


斜め後ろにいるナツキくんをチラッと見る。彼はたいして息をきらす事なく、綺麗な顔のまま走っていた
< 93 / 275 >

この作品をシェア

pagetop