JACK IN THE BOX

Jr.[ミニストーリー]

「お早う!待った?」

「ううん、今来たとこ。行こ」

笑顔で手を繋ぎ、学校へ向かう少年と少女。

何気ない日常のワンシーン。

……彼にもあんな頃があったのだろうか。

ふと、そんな疑問が浮かんだ。




「ねぇパパ」

パジャマ姿の少年は、ソファーで新聞を読んでいる父親に話し掛けた。

「昔ね、僕と同じ名前の人が居たんだって」

今日ケイトに聞いたんだ、と話し出す息子を抱き上げ膝にのせる。

「そうなんだ。どんな人だったってケイトは言ってた?」

「んーっとね、一生懸命な人だったみたいって。その人、お隣りの国の人を助けて殺されちゃったんだ」

かわいそうだよね、と少年は足元に視線を落とす。

「金髪でね、笑った顔がすごく優しかったんだって。僕は茶色の髪だから、同じ名前でも違うんだねって、ケイト笑ってた」

そうか、と父親は息子のくりくりとカールした髪を撫でた。

「でね、その人悪者にされても最後まで正しい事したんだって。……あ、昨日の新聞に書いてあったってケイト言ってたけど、パパ読まなかった?」

「それは気づかなかったな。後で探してみるよ」

じゃあ僕にも見せてねと言い、少年は父親の胸に寄り掛かる。

「僕も、大きくなったらその人みたいに立派な人になりたいな」

「なれるさ。フェリクなら必ず」

「ほんと?」

嬉しそうに振り返る息子に、父親は力強く頷いた。


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