JACK IN THE BOX

君は静かに

君は静かに、泣いていた。

「どうしたの?」

尋ねる僕に、君は答える。

「ただ、泣きたかっただけ」

そう言って、君は静かに手元にある本を閉じた。

それは恋をしてから書きはじめた君の日記。

残念ながら、その“物語”はハッピーエンドではなかったみたい。

「泣きたいだけ、泣きなよ」

そう言って僕は借りてきた本を開く。

この物語はハッピーエンドになるだろうか。


静かに、静かに泣いている君。

僕が手にしている本はいつまでもページがめくられないままだった。



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