JACK IN THE BOX
「どうして、そんな事聞くの」

少年は苛立った声で問い返す。

「どうしてだと思う?」

シアンは質問で答える。

「知らない。それよりお仕置きするなら早くして」

少年はシアンの手を掴み、自分の頬に当てた。叩くならいつでもどうぞと言うように。

しかしシアンはにこりと笑い、静かに手を引いた。

「その前に、どうして君がサンを叩いたのか知りたいな」

「なぜ」

「理由も聞かずに怒るのはフェアじゃないだろう?」

「……」

言いたくないから言わないのに。少年は唇を噛む。

「どうしてなんだい? 何かあったのかい?」

優しく問い掛けられて少年の心が揺れた。目の前にいる、不思議な色の瞳を持つこの人は怒鳴らずに気持ちを聞いてくれそうな気がして。

サンを叩いた理由。それは。

我慢していた涙が滲む。溢れてしまいそうな涙を拭い、少年は口を開いた。

「あいつが……傷の事からかうから」


 
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