JACK IN THE BOX
シアンの碧い瞳は、少年を通り越してどこか遠くを見ている。

焦げ茶色の髪に隠れている、額につけたオリーブ色のターバン。右目には縦に走る傷痕。

「もっとそばにおいで」

なかなか聞こえない足音から少年の疑問を読み取り、ああ、とシアンは笑った。

「“パパ”は目が見えないんだ。だから、手の届く所まで来てくれないか」

シアンの目の焦点が合わない理由がわかり、少年はびくびくしながら近づいてきて彼の手に触れた。

「ええと、君は二週間前にうちに来た子だね」

「……うん」

シアンの手がそっと少年の肩に触れる。

「ここでの暮らしには慣れたかい?」

「……うん」

回りくどい質問をしないで、早く済ませて欲しい。少年はそう思いながらシアンを睨んだ。

「怖い夢は見なくなったかい?」

シアンの手が少年の頬に触れ、彼はびくりと後ずさる。


 
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