深淵
 キョウスケの鼻にかすめたのは、異様で歪なニオイ。                                   
 いるな・・                              

 漫画か何かの登場人物のようにキョウスケはそう呟いて笑みを浮かべた。                                      
 そのニオイは自分の感覚が造り出した幻であることぐらいキョウスケにはわかっていた。                                           

 期待がそうさせているんだ。                                  

 キョウスケは笑みを浮かべながら、ナイフを取出して握りながら、待ち合わせ場所にむかった。
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