◆太陽のごとくあいつは◆
『まぁ、幼なじみなんだしいいじゃない。
明日からまた早いんだから、あなたもシャワー浴びてさっさと寝なさいね。
おやすみ♪』
早口にそう言うとコーチは部屋を出て行ってしまった。
『む…ぅぅむ。どうするかな…』
とりあえず本でも読むか、と思い
ベッドにドスっと座り、本を開く。
と、とは言え…
『しゅ、集中して読めない…』
お風呂からは、
シャワーの音と、少し音程の外れた晶螺の鼻歌が聞こえていた。
不意に頭の中に 大きくなった晶螺の身体の骨格が現れる。
厚い胸板、広い肩幅、程よく筋肉のついたスラリと長い手足、それともうまったくの大人な顔立ち…
『ぁ~!だめだぁ、こんなこと考えちゃぁ!!!』
本で強く頭を打つ美夏。
『幼なじみとはいえ…何か間違いでも起きたらどーすんのよ…』
………------------
ぅん!??
『間違い』って何だっ!!?
『ぁ~、もうあたしさっきから何考えてるんだろ~…』
何て一人芝居を繰り広げていると、ベッドのまん前にあるお風呂のドアが急に開いた。
『ふぁ~、気持ちよかった!』
『……!?』