◆太陽のごとくあいつは◆



『…どうした?』



友枝がタバコの煙を吐きながら美夏を見た。



美夏は俯いたままだ。



するとそんな美夏の顎をクイっと持ち上げて自分のほうを向かせた。




『雛森……


君だってあの時オレと付き合ってたら…今頃オレがいやになって、あの年下のパートナーに走ってたかもしれないだろ?


人間なんてそんなもんだよ。』



友枝の甘い声に、美夏の肩は一瞬ビクンと動く。




…ちがう、ちがうよ友枝さん。




あたしきっと…心の中で強く否定してただけだった。



あなたや千佳と縁を切って、丸2年…綺麗さっぱりあきらめたつもりでいたのに…


あなたの一言でこんなにも胸が騒いじゃう…



"あきらめた"どころか----どれだけ"未練たらたら"だったかってこと、思い知っちゃうよ。




まるで、


禁煙に挑戦中の中年おじさんが、人のタバコの煙ちょっと吸っただけで、あーっという間にもとにもどっちゃうみたいに…


(ちょっと違うか。)




友枝さん……



もう一度だけ、あなたに期待してもいいですか?


ねぇ……いいですか-----。




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