天国に近い場所
「せっかく‥せっかく志乃はまた龍美に会えたのに……なんてことしてくれてんのよ……」




夏莉は拳を握りしめ、顔を上げる。

そして、その場に座り込みうわんうわん泣き出した‥

正樹さんが夏莉を抱き抱え、ソファーに座らせていた。





「あ、亮ちゃん…」



お姉ちゃんが私から離れ、病室から出てくる亮ちゃんに駆け寄った。

龍美は思ったよりも出血が酷く、輸血が必要になり、家族である亮ちゃんが血を抜いて来た。





「どれくらい…血取ったの?」


お姉ちゃんが亮ちゃんを、ソファーに座らせた。





「全部抜いても構わないって言ったんだけど…そうもいかないからぎりぎりの所まで抜いてもらった」
< 597 / 787 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop