聖夜の約束
レイはふと視線を夏姫のベッドに向けると彼女は眠っていた。


くるんとした長いまつげがレイの位置からでもわかる。


レイはそんな寝顔を見て思いため息を吐いた。


(年下って言わなければ良かったな・・・)


自分に気を許し始めたものの、好きだと言うとさらっと逃げられる。


(自分が年下だという事がネックになっているんだ)


ノートパソコンの画面に目を移す。


そして自国ジャハールにいる父親にメールを打つ。



『急用が出来た。しばらくジャハールには帰れない 母さんによろしく』


そっけない文。


その一行のみを送った。


父はわかってくれるはず。


夏姫さんと初めて出会ったホテルに残っている執事のアンドリューが報告しているはずだから。


メールを送信して立ち上がると伸びをする。


手が天井に届いてしまいそうだ。


(夏姫さんのアパートは狭いけどいつでも傍にいられるから好きだ)


自分の住んでいる屋敷は両親に会いに行くにも時間がかかる。

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