聖夜の約束
ガタガタと震える肩にダウンジャケットを羽織らせる。


「そ、それじゃ、レイくんが風邪引いちゃう」


夏姫が脱ごうとするのをレイは止める。


「夏姫さんは死にそうに見える」


まだ怒った顔をしている。


「ま、待ってて・・く、くれたの?」


おそるおそる聞く夏姫にレイは次の瞬間照れた顔になった。


「待ちくたびれた」


「ご、ごめんなさい」


ダウンジャケットを着たのに寒さは変わらない。


「もう答えは出たの?僕の事を好きなんだって思っていいの?」


イルミネーションだけの暗さでレイの青墨色の瞳は真っ黒に見える。


レイの質問に夏姫はそっと頷いた。


「本当に?」


「・・・うん」


「その返事、すんなりじゃないみたいだけど?」


レイが夏姫の顔を覗き込む。


「あたしはレイくんが好きだよ だけど・・・やっぱり・・・」


会いたい一心でここへ来てしまったけど、これからの事を考えると進めない。



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