聖夜の約束
顔が熱い。


(きっと真っ赤になっている)



『じゃあ、明日ね』


そう言って切れた。



(長谷川さんがあたしの事を可愛いって言った・・・?)



携帯を持ったまま放心状態。




「夏姫さん!」


レイの声で物思いから我に返った。



「レイくん、急に大きな声出さないで びっくりした」



「今の電話の長谷川って人、昨日の人?」



目の前のシチューが興味なくなったようにレイはスプーンを置いた。



「う、うん そう・・・」



「夏姫さんは彼の事が好きなの?」



レイは直感でわかった。



「ん・・・」



素直に頷かれてレイはそっぽを向いた。



夏姫に好きな人がいたと知って嫌だった。



「さあ、食べよう?冷めちゃうね」


夏姫はレイが不機嫌になったのがわかったが、わからないそぶりをして食べ始めた。



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